店舗の個性派揃いの整備士に、チームワークを持たせる必要性!仲が良すぎてもダメ

自動車整備業界の皆様、毎日の業務大変お疲れ様です。

さて、今日は店舗に在中している整備士について考えてみたいと思います。

 

認証工場、指定工場と整備工場には種類があります。

 

それぞれ工場を維持するためには必要な設備に、役割を持った整備士が必要になります。

 

指定工場なら、業務班、整備班、検査班などなど。

 

要するにチームワークが必要になると。

 

では、所属する整備士を見てください。

 

Aという整備士は大胆で手が速い。Bという整備士は慎重ですが確実。Cという整備士は気前はいいけどおっちょこちょい。

 

その人の性格や、技術はそれぞれ異なります。

 

 

しかし、整備工場としてプロの作業を提供し、その対価としてお金をいただくのであれば、最低限の基準を儲ける必要があります。

 

作業指数に基づく工賃の計算。純正部品なら定価販売。お客さんの要望で安く整備をしたいのなら、社外パーツを使う。

 

整備作業を請け負った時、ABCの誰が整備をしても同じクオリティで提供しないといけないということです。

 

そんなことは当たり前だろうと。

 

多分読んでいる皆さんの大半がそう思っているのではないでしょうか?

 

しかし、実態は少し違います。

 

私は、2つの会社で整備事業に当たってきましたが、整備士によってはそのクオリティに差が出ることもありました。

 

クオリティに差がでるのは、依頼されている作業に対しての習熟度が関係していることがあります。

 

例えば、外国車でクラッチをOHしてほしい!という依頼を受けた時。

 

Aという整備士は何度も経験がある。Bも経験はたくさん積んでいる。しかし、Cという整備士はその作業をしたことがない。

 

この場合、Cが作業をするとどうでしょう?5年〜10年ほど整備を経験してきている整備士であれば、作業は完結できるでしょう。

 

ですが、作業時間と仕上がりに差が出てきます。

 

初めてやる作業と、2回目にやる作業では作業時間に大きな違いが出てきます。そして、気がつかなかったこともわかるんです。

 

こういうことがありました。

 

古い車なんですけど、三菱のトッポという車でクラッチのOHを私がした時のことです。

 

エンジンを下さなくても作業はできるものの、4WDの場合トランスファが邪魔になるため、メンバーと干渉します。

 

そのため、エンジンメンバーの一部を下げてミッションを抜くスペースを作るんです。

 

この過程で、フロント周りもある程度分解するわけですが、コンデンサがふらふらしていることに気がつきました。

 

どうやら、この車は何度かクラッチをOHされているようで、皆さん同じ手法を使っているようです。

 

その時にコンデンサを外した自覚がないため、そのまま復元する整備士がいたんです。

 

私がクラッチをOHした時は、コンデンサがきちんとマウントに固定されていなくて、疑問に思ったんです。

 

なるほど、前回の作業者がここを忘れてしまったんだなと。

 

私はこの作業を数回したことがあるので、経験上にわかっていたんです。

 

しかし、前に作業をした整備士はそこに気がつけなかったんですね。

 

と、こういうことが起こり得るんです。コンデンサが固定されていなくて大丈夫だったのか?と思いますよね?

 

一応下側は固定されていたため、グリルとバンパーをつけるとさほど違和感がなかったようで、お客さんも気が付いていないようでした。

 

どう思いますか?お客さんの側からしたら、気が付かなかったからよかったね!では済まされないです。

 

どうするべきか?やはり中間検査や完成検査をする人間は、その作業を経験したことがあるものにするということ。

 

もちろん車検の場合は検査員の資格をもっていないと成り立ちませんけど。

 

Cという整備士が初めての作業をしたら、完成検査はAかBで経験に基づいて、こういったマイナートラブルを見つけてあげる。

 

ここにチームワークが必要になります。整備士同士が仲が良ければいいっていうものでもないんです。

 

仲が良いことは重要ですけど、お互いが意見を言い合えないようだとなあなあになることがあります。

 

これも悪い事例ですけど、マフラーのボルトが錆びて痩せてきた場合。もちろん、つながっていて排気漏れもしないので、

 

 

このままでいいよ!時間も今回はないし。

 

そうだよね。

 

となりかねません。

 

では車検整備が終わって、半年経たずに排気音が大きくなった!という電話がきたらどうしますか?

 

原因は痩せてしまったマフラーボルトが折損して、マフラーの結合部が外れたと。

 

もし、きちんと指摘できる整備士がいたら、その作業の時に交換を提案するでしょう。

 

仲が良すぎてなあなあになってくると、こういった事例が出てきます。

 

必要なのは、どの整備士が請け負って作業をした仕事であっても、会社として送り出す意識です。

 

Aがやって失敗したことなんかしらないですよ!とBが言ったとします。

 

Cがやった失敗をAがバカにしたとします。

 

どうですか?私も自分で工具を持って整備をする立場をしてきたので、イチエンジニアとしてのプライドもあります。

 

他の整備士がダラダラ作業をしていると、気分良くないですし。

 

管理する側に回ればわかる心理です。フロントになると、すべての作業を追っていき、お客様に自信を持って引き渡さないといけない。

 

整備士同士の不仲や罵り合いなんか聞きたくないわけです。そんなことよりも会社としてその作業に責任を持たないとダメだと。

 

サービスフロントになるとこの一点がすごく重要になってきます。ダイレクトに苦情を言われますので。

 

整備士にはきちんと役割を与えて、チームワークを持たせること。

 

会社として仕事を提供していくこと。ここを改めて見直すようにしてください。